すごく良い本だった! 最近はやりの人工知能の出来る事・出来ない事を教えてくれる「おとぎ話風解説書」 働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」
人工知能(会話のみ)の概念がよく分かる絵本って感じ。会話形式で非常に分かりやすいし、「え、それっておかしくない?」って疑問を先取りして、ちゃんと説明してくれている。
第1章 モグラ、音声認識
第2章 カメレオン、ボット会話(オウム返し、過去データからの返答) 女子高生AIりんな
第3章 アリ、語句解析、Google検索(データ&サーチ)、ワトソン(質問応答)
第4章 フクロウ、画像認識(ディープラーニング) ←ここいらへんから解釈の誤作動(予期しない動作)が始まる
第5章 全員集合、文章の論理的な意味を認識する
第6章 タヌキ、論理学、文章構造(構文解析)
第7章 メガネザル、文章に含まれる単語の意味を正しく解釈する(共起、ベクトル、機能語)
第8章 全員、意味と意図の違い。意図の理解(同じ文章でもTPOによって意味が変わる)、会話的含み(「お腹が空いた(事実・意味)」→何か食べさせて、という意図)
第9章 イタチ、どうやって信頼できる大量のデータを取得するか?
技術的な事を、あんまり追求せずに概念的な説明だけで説明するのが素敵。やはり話し言葉&ストーリーがあると読みやすくて理解しやすい。
後半の論理学辺りから難しくなってくるけど・・・。
結局、知性があるかどうかって、言葉が通じるかどうか?だよね。って結論(チューリングテスト)から
じゃあ、言葉が通じるって、どういう事?を1冊の本で説明している。
基本的に登場人物の動物達は、けっこう性格が悪い。基本的に他の動物を馬鹿だと思い、自分たちが一番と思っている。
イタチたちはフクロウたちの事を「頭がいいふりをしているけど、本当は何もできないんだろう」と馬鹿にしていた
それにしてもイタチたちは適当すぎというか、一番頭が悪そうだ。
そして本質的理解が嫌いで、手っ取り早く「どうしたらいいか」を知りたいだけ。
ある意味ハッカーっぽいか?理解できなくても応用できれば、現実的にはあまり困らなそう。
強いて欠点を挙げるなら、
1, ひらなが多すぎ
2, 日本語の会話形式が横文字だと読みづらい。
ふと思ったが、動物が主人公なので「けものフレンズ」っぽいな。