仕事帰りに渋谷のユーロスペース(ミニシアター)で、77歳の老人が主人公のモノクロ映画「敵(吉田大八監督)」を見てきた(ネタバレあり)

仕事帰りに渋谷のユーロスペース(ミニシアター)で、77歳の老人が主人公のモノクロ映画「敵(吉田大八監督)」を見てきた(ネタバレあり)

火曜日だと1900円→1300円なのね。
しかし、椅子が古すぎてシート剥げてきている…。

予告で、逃亡49年、桐島聡の映画『逃走』が面白そうだったので見に行くかな~。
劇場公開日:2025年3月15日


予告動画も見ずに勢いだけで行ったけど、現代のスーパーやATMが白黒だと違和感があるな。

主人公はフランス文学の教授で、10年前に引退して、20年前に妻と死別。
講演会や雑誌の連載もあって、完全な隠居生活というわけでもない。だけど、いつ貯金が尽きるか不安に思いながら毎日を過ごす。
一人暮らしの老人なのに、ご飯を炊いたり、鮭を焼いたり、ハムエッグを焼いたり、専門店にキムチを買いに行って冷麺を作ったり、かなりの料理好きな感じだった(もう少し野菜も食べた方が…。)

PERFECT DAYSと孤独のグルメを足して2で割ったような感じか?と思っていたら、やたらと女が出てきてフランス文学(フランス映画)っぽい。
愛や性を絡めた三角関係や心理的葛藤が多すぎるような…。つーか、77歳にもなって夢精とかありうるのか?
枯れているどころか、エロい夢ばっかみて、中高生みたいな感じ。

後半から、段々と現実と夢・妄想・幻想の区別が無くなってきていて、明晰夢みたいに「これは夢なんだから、心配しなくてもいい」みたいな感じになってくるけど
北からの敵(軍隊?ゾンビ?)がやってきて、最後は隣近所の人と共に撃ち殺される。

死ぬ前になって「フランス文学を専攻している教授なのに、フランス語の会話に自信がなくて、フランスに一度も行かなかった。妻が死ぬ前にいくべきだった!」とか、やっぱり、やらないで後悔するよりもやって後悔する方が、ぜんぜんマシだよな…。

エンディングの遺言状の読み上げでは、死んだ主人公が窓辺にたたずんたショットで終わる。
面白かったけど、思ってたのと違って、狂気に侵されたサスペンス・ホラーって感じだった。
でも、モノクロで正解の不気味さの演出だった。